研究内容

心的資源と注意

ヒューマンエラーの防止、ユーザビリティの向上のためには、人間の「注意」の仕組みを理解し、「どのようなデザインで見落としが少なくなるか?」を明らかにする必要があります。「“ウォーリーをさがせ!”のような視覚探索実験」「広告ポスターやポップアップ広告の印象評価実験」「風景写真の記憶実験」を通じて、「モノづくり」に活かせる視覚デザインを探求します。また、ひとつのことに注意を集中するのが得意な人、苦手な人の違いなど、個人差の問題についても取り組みます。

対人コミュニケーション

視線、表情、動作といった非言語的なコミュニケーションが対人認知に及ぼす影響を検討します。特に、日本(東洋)の文化圏において日常的に行われているお辞儀、うなずきといった動作に注目した研究を行います。「お辞儀をすると、その人の魅力はアップする?」「よくうなずく人は性格が良くみえる?」「面接では視線はどこに向ければいい?」「西洋と東洋のコミュニケーションスタイルの違いは?」このような問題に認知科学的な手法で取り組みます。また、「方言」や「ネット用語」のような言葉の問題にも取り組みます。

感性と表象

人が作り出した様々な文化資源(「作品(刺激)」「演技」「遺跡や土器」)を認知科学的手法で分析し、人の知覚・認知機能について検討します。例えば、「錯視図形がなぜそうみえるのか?」「絵画における時間・空間の印象は?」「声優の演技がなぜそう聞こえるのか?」「化粧やファッションで見え方はどう変わるか?」といった問題に取り組みます。また、「ナスカの地上絵」のように昔の人がそれをどう見ていたのかが未解決のものにも取り組みます。